
当牧場の取り組み
牛は生後24ヶ月で成牛となりますが、用途に応じてさまざまな育て方をしています。搾乳牛は14–15ヶ月で授精し、24ヶ月で出産・搾乳を開始します。一方で、肉牛は種類によって育成期間が異なり、たとえば和牛は28ヶ月で出荷されることが一般的です。
当牧場では、生後6ヶ月の仔牛肉を生産しています。この仔牛肉は、フランス料理やイタリア料理などで広く使用されている希少な食材です。

フリーマーチンの有効活用
仔牛肉生産の背景には、ホルスタイン種のフリーマーチン(下段参照)の雌仔牛の扱いがあります。フリーマーチンは、生まれた直後に市場価値が低い場合、処理施設に送られてしまうケースが多く見られます。ここ数年、市場相場が低調であったため、当牧場でもそのような対応をせざるを得ませんでした。
しかし、搾乳事業を見直す中で、フランスやイタリアの食文化において生後3–6ヶ月の仔牛肉が重宝されていることを知り、このフリーマーチンを有効活用する新たな取り組みを始めました。

安定供給への取り組み
相場が特に低い時期には、ホルスタインの雄牛を仕入れることもあります。双子のため体格が小さく虚弱なフリーマーチンと比べ、雄牛は成長が期待できるため、仔牛肉の安定供給に寄与しています。
当牧場では、このような多様なアプローチを通じて、高品質な仔牛肉を生産し、持続可能な農業経営を目指しています。

フリーマーチンの仔牛
フリーマーチンとは、牛の雌雄の双子の一方として生まれる雌の個体で、雄の影響を受けるため、生殖器官が未発達となり繁殖能力を持たないことが一般的です。これは、胚発育中に雄から分泌されるホルモンが雌の発育に干渉することで起こります。フリーマーチンは肉用やその他の目的で飼育されることが多いですが、繁殖牛としては利用されません